ピラティスとはどんな運動?期待できる健康効果と向いている人の特徴
身体を動かさないことによって、肉体疲労や運動不足、代謝の低下などさまざまな影響が表れます。基礎代謝量が低下すると、肥満やむくみに悩む方も増えます。
しかし、仕事や家事で多忙なため運動や生活習慣の改善ができない、どう対処すればよいかわからず、そのままにしてしまう方もいるかもしれません。
この記事では、身体のバランスを内側から整えていく「ピラティス」を紹介します。
ピラティスエクササイズで得られる健康効果や意識したいポイント、向いている人の特徴などに注目してください。
目次
ピラティスとは
ピラティスは、ドイツ人のジョセフ・ピラティス氏によって考案されたエクササイズです。
かつて病弱であり、あらゆる運動によって肉体を強くした経験をもつピラティス氏が自らの実体験を基に考案した方法が、現在のピラティスの動作に活かされています。
やがてドイツ軍に従軍し看護師として活躍したピラティス氏は、戦争で負傷した兵士のリハビリテーションにこのエクササイズを導入しました。
ピラティスは身体の体幹(コア)を鍛え、強い腹筋や背筋から全身のバランスを整えていきます。
柔軟性を獲得し、呼吸をしっかりと繰り返すことで、姿勢の乱れによるゆがみの解消も目指せます。
4つのインナーマッスル(深層筋)である骨盤底筋群・腹横筋・多裂筋・横隔膜を「インナーユニット」として鍛えていきます。
ピラティスで得られる健康効果
ピラティスで得られる健康効果には、「インナーマッスルの強化」「骨盤の歪みの改善」「集中力の向上」「深い呼吸によるリラックス効果」が挙げられます。
それぞれの効果について詳しくみていきましょう。
インナーマッスルの強化
インナーマッスルは身体の深い場所にある筋肉です。
手足と違い、意識的に鍛える機会が少ない筋肉のため、体幹が弱ると猫背や姿勢のゆがみにつながります。
ピラティスでは、体幹を支える4つのインナーマッスルを鍛えます。
特定の部位に偏らず、バランスのとれた体幹に仕上がるのです。
体幹は姿勢や動作をコントロールする際に重要な部位です。
ピラティスで身体の軸となる部分を鍛えれば、日常の動作がスムーズになりインナーマッスル以外の筋肉も強化されます。
骨盤の歪みの改善
ピラティスではインナーマッスルを強化します。
膀胱や直腸を支える骨盤底筋群など、重要な骨盤周りの筋肉を鍛えられるので、ゆがみの改善につながります。
骨盤は出産やあぐらをかく癖などでゆがみやすい部分です。
骨盤がゆがむと足腰、背中なども一緒にゆがみやすくなるため、ピラティスでインナーマッスルを鍛えてゆがみの解消を目指しましょう。
集中力の向上
呼吸をしながら動作をとるピラティスでは、身体の中にたっぷりと酸素を取り入れて筋肉を動かすため、血行が良くなり自律神経のバランスが整い、集中力を高めやすくなります。
普段意識的に鍛えにくいインナーマッスルにも意識を向けるため、脳が活性化されリフレッシュします。
呼吸をしながら意識を集中させるので、脳が活発になるのです。
ピラティスを習慣化していくと、呼吸と意識的な動作が定着するため、自宅でも集中してセルフエクササイズができるようになります。
深い呼吸によるリラックス効果
深い呼吸を意識すると、リラックス効果にもつながります。
酸素を取り込むと副交感神経が優位にはたらくため、心拍数が減って休息効果が得られる仕組みです。
運動は心拍数を上げるものですが、ピラティスでは呼吸を意識することで適度に緊張をほぐしながら身体を動かせます。
正しい呼吸法を身につけるためには、ピラティスの知識や経験をもつトレーナーから教わることをおすすめします。
ピラティスの健康効果を高めるために意識したいポイント
ここからは、ピラティスの健康効果を高めるために意識したいポイントをみていきましょう。
胸式呼吸を意識する
ピラティスでは、腹横筋を刺激するためにお腹を膨らませない胸式呼吸を行います。
インナーマッスルの一つである腹横筋を胸式呼吸によって刺激すると、内臓を保護する働きが強まり、骨盤底筋群と連携することで体幹が安定します。
胸式呼吸は口から息を吸って吐く方法で、肋骨が左右に広がるように呼吸を繰り返します。
お腹を膨らませる腹式呼吸とは異なるため、正しい方法に慣れたい場合はトレーナーの指導を受けてください。
骨や関節の位置を意識する
インナーマッスルは直接触ることができない身体の奥にある筋肉です。
意識的に鍛えにくい部分のため、身体が曲がったり呼吸法を間違えたりしないように、意識的にエクササイズを行う必要があります。
正しくエクササイズを行うには、ヒップから腰、腰から背中といった部位の位置関係を確認し、骨や関節の動きにも注意しながら動作を行いましょう。
筋群を意識する
正しい姿勢で動作をとるためには、インナーマッスルの筋群を意識することが大切です。
身体を支えている脊柱は、骨を取り囲んで支えるインナーマッスルを鍛える必要があります。
横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群の場所や役割を知り、それぞれのはたらきを意識して身体を動かすようにしましょう。
筋群を強化すると、自然な姿勢を保ちやすくなり背骨の位置関係が整います。骨盤の安定性向上にも効果が期待できるでしょう。
正しい動きを意識する
ピラティスは体幹の強化やリラクゼーションに効果的なエクササイズですが、正しいフォームを意識しなければ、ケガのリスクが伴います。
他のエクササイズや運動にも共通していますが、間違った動きによって狙い通りの効果が得られにくくなり、余計な部位を鍛えてしまう可能性があります。
不適切な筋肉を使用するとその他の筋肉とのバランスが崩れ、負荷がかかりすぎてケガにつながるおそれもあります。
ピラティスを始めたばかりの頃はフォームを間違いやすく、筋肉に負荷をかけすぎて故障するリスクが伴うため、正しい動きを細かくチェックしながら動作をとりましょう。
不安や疑問点はトレーナーに確認しながら、正しいフォームを身につけるようにしてください。
継続する
エクササイズを始めたら、無理をせずできるだけ長く続けるように意識しましょう。
インナーマッスルは身体の深い場所にあり、すぐには鍛えられない筋群です。
表層筋のように目に見える筋肉ではないため、時間をかけて強くしていかなければなりません。
目安としては、週に1,2回程度の頻度からスタートして、2,3日筋肉を休ませてから次のエクササイズに入ります。
1ヶ月後には週に2回または3回程度に増やすこともできます。無理のない範囲で3ヶ月は継続しましょう。
ダイエット効果を実感するまでに期間はかかりますが、筋肉を増やすと代謝や血行の状態が改善しやすくなります。
脂肪を燃焼するようになると、見た目の変化が実感できるでしょう。
日常生活でも姿勢を意識する
姿勢の癖は自然に身についたもので、なかなか矯正できない方もいるのではないでしょうか。
しかし、癖がつくのは単なる生活習慣だけではなく、筋肉不足が原因の場合もあります。
インナーマッスルが強化されると自然な姿勢がとりやすくなり、猫背や骨盤の左右差といった身体のゆがみも改善されていきます。
エクササイズで正しいポーズやポジションがとれるようになると、体幹が鍛えられ筋肉が育ってきていると判断できます。
普段の姿勢を見直し、正しい立ち方を意識してみてください。
ピラティスに向いている人の特徴
ピラティスに向いている人の特徴として、「姿勢を良くしたい人」「肩こりや腰痛で悩みがある人」「女性らしい身体を目指す人」「心身ともに健康になりたい人」が挙げられます。
どのような点がピラティスに向いているのか、詳しくみていきましょう。
姿勢を良くしたい人
「姿勢が悪いと指摘された」「気がつくと顎が前に出てしまっている」「立ち姿をもっと美しくしたい」など、姿勢に関する悩みがある方です。
体幹を中心に大きな深層筋を鍛えるピラティスでは、背中から腰、腰からヒップにかけて整え、内臓を支える腹横筋も強くします。
姿勢をつくる筋群を育てていくと、姿勢の癖が改善されます。
肩こりや腰痛で悩みがある人
肩こりや腰痛に悩んでいる方は、血行不良が発生している可能性があります。
ピラティスは慢性的な身体の痛みに悩んでいる方に適したエクササイズです。
運動不足や代謝の低下など人により原因は異なりますが、身体の内側から血の巡りを良くすることで筋肉が柔らかくなり、血液がしっかりと巡って痛みが軽減されやすくなります。
血液の循環があると、体温を高く保ち汗をかきやすい、代謝量の多い体質になります。
身体の痛みだけではなく冷え性にも効果が期待できるでしょう。
女性らしい身体を目指す人
体幹を鍛えると、姿勢が改善されすっきりとした立ち姿になっていきます。
さらに、インナーユニットと連動する筋肉も鍛えられるため、無駄な脂肪をつけにくいボディラインに仕上がります。
筋肉がつくと脂肪燃焼効果が高まります。
何をしても痩せられない、自分に向いた運動方法がわからないといったお悩みも解消し、血行不良によるむくみや肥満体質にもアプローチします。
ピラティスは、女性らしい身体つきや肉付きを目指したい方に向いたエクササイズといえるでしょう。
心身ともに健康になりたい人
ピラティスは、深い呼吸によってリラックス効果が得られるエクササイズです。
ダイエット効果や見た目の変化ばかりではなく、緊張をほぐしながら行える運動のため、精神的な負担が少なく始められます。
心身ともに負担なく運動に取り組みたい方に適しています。
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また、背中を鍛えていくと首や肩周りの安定性が高まり、余分な負荷がかかりにくくなるため首から肩への負担が軽減されます。
ピラティスは健康効果が期待できるエクササイズ
今回は、ピラティスの特徴とメリットについて紹介しました。
インナーマッスルが鍛えられるので、しなやかな動作でインナーマッスルを強化し、歪みのない正しい姿勢をつくって内臓を正しい位置に戻します。
ベッドの上でも実践できるリハビリ方法として考案され、鍛えるのが難しい筋肉のトレーニングや運動不足の解消、健康づくりの一環としておすすめです。
体幹やインナーマッスルを重点的に鍛えたいならピラティス、ストレス解消や自律神経の調整を求めるならヨガが適切といえるでしょう。
監修者

山中 隆博
SDフィットネス
パーソナルトレーナー
山中 隆博
SDフィットネス パーソナルトレーナー
<資格>
- 日本ダイエット検定1級
- プロテインマイスター
- フィットネスマネジメント検定2級、1級学科
<略歴>
大学を卒業後、インストラクターとして大手スポーツクラブへ入社し、300名以上のパーソナルトレーニングを経験。その後、専門学校の非常勤講師やキッズミュージカル劇団総監督を経て、当社に入社。現在はSDフィットネスの統括責任者を担当する傍ら、業界セミナー等にも登壇している。