ピラティスは初心者でもOK!ヨガとの違いと効果を出すためのポイント
ピラティスは、ストレッチやヨガと同じく血行を改善し、健康効果が得られるトレーニングです。長距離を走るような過酷さがなく、自宅でも気軽に動きを取り入れられるため、すき間時間の活用にも向いています。
正しい呼吸法と姿勢を取り入れる必要があるため、自己流にならないように注意しながら取り入れたい運動です。
この記事では、ピラティスの特徴やヨガとの違い、期待できる健康効果や呼吸法について紹介します。効果を出すコツや教室の選び方のポイントも紹介していますので、自宅や室内でできるトレーニングをチェックしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
ピラティスとは
ピラティスは、1900年代初期に考案されたリハビリテーション用のエクササイズです。すぐに走ったりスポーツをしたりできない方でも筋力を強化できるように、自重を使ったトレーニングとして考案されました。
考案者であるピラティス氏の病弱な生い立ち、アメリカで出会ったバレエ団への指導など、すべての経験をもとにして体だけではなく心のコントロール方法としてもピラティス・メソッドは完成されていきました。
ピラティスは、特定の部位を使う運動では鍛えるのが難しいインナーマッスルの強化・病気や怪我の後の回復トレーニング・ストレス解消といったさまざまな目的に利用されており、アスリートやタレントなど多くの著名人もボディメイクに取り入れています。
ヨガとの違い
ヨガは、ピラティスと同じく室内で行うトレーニング方法です。どちらもボディメイクが可能で、深くしっかりと呼吸を意識しながら行うのが共通点です。
ただし、ヨガには「瞑想」というプロセスがあり、ピラティスとは根本的な目的が異なっています。修行のために考案されたポーズ集のため、神や自然を意識した内容が多く、スピリチュアルな側面もあります。
それに対してピラティスはドイツ人解剖学者であるピラティス氏が考案したエクササイズ方法のため、修行ではなく体の機能回復を重視しています。
ピラティスとヨガの違いをまとめると、以下のとおりです。
【ピラティスとヨガの違い】
ピラティス | ヨガ | |
起源 | 1900年代にドイツ人が考案 | 古代インドで修行僧たちが考案 |
創設時の目的 | リハビリテーション | 修行 |
動き方 | 流れるような動きで筋肉を動かす | 呼吸を続けながらポーズをとり筋肉を動かす |
呼吸方法 | 胸式呼吸 | 腹式呼吸 |
特徴 | 全身の筋肉のバランスや姿勢を整える | 筋肉を鍛えつつ心身の統一を図る |
備考 | 体の機能回復に役立つ動きが多い | リラックス効果や瞑想ができる |
ピラティスはリハビリテーションのためのエクササイズであり、トレーナーやインストラクターがついて行うスタジオでのピラティスに加えて、リフォーマーと呼ばれるマシンを使ったマシンピラティスも行われています。いずれも、修行や瞑想といった宗教的な要素は含まれていません。
ヨガにもストレッチ(柔軟)の機能はありますが、ポーズを取って静止しながらインナーマッスルを鍛えられる動きが多くみられます。
一方、ピラティスでは流れるように動きを続けて、意識的に筋肉を動かしていく特徴があります。ヨガよりも新しいトレーニングのため、難しいイメージがあるかもしれませんが、女性や学生さんでも取り入れられる運動方法として注目されています。
ピラティスの魅力
ピラティスのもつ魅力は、運動としての特徴・体への効果・心への効果に分けられます。それぞれのメリットをみていきましょう。
【ピラティスの魅力】
運動の特徴 | ・一人でもできる
・自分のペースで簡単にできる ・運動経験が少なくても始められる |
体への効果 | ・全身運動ができる
・姿勢改善 ・コリや疲労の回復 ・基礎代謝の改善 ・血行促進 ・ダイエット効果 |
心への効果 | ・メンタルの安定に役立つ
・リラックス効果がある |
ピラティスは、病弱な方や病気・怪我で動きにくい方にも可能な動きを組み合わせているため、運動経験が少なくても気軽にスタートできます。
短期間で痩身効果が現れるような内容ではありませんが、自分のペースで地道にトレーニングができるため、無理がなく少ない負担で筋肉の運動ができます。
エクササイズ中に体の下に敷くマットさえあれば始められるので、特別なルールを覚えたりユニフォーム、器具を使ったりする必要がなく、低コストで始められるのもメリットといえるでしょう。
スポーツジムやピラティスの専門スタジオでは、マシンピラティスと呼ばれる専用マシンを使ったトレーニングが受けられます。自宅でのトレーニングに不安がある方や、専門のトレーナーに指導を受けたい方は、正しいフォームで体を鍛えられるマシンピラティスがおすすめです。
ピラティスがもたらす健康効果
ピラティスによって体を動かしていくと、5つの健康効果が期待できます。自律神経への調整作用やストレス軽減といった、基本的なメリットを確認していきましょう。
自律神経の調整作用
ヨガと同じく、ピラティスにも自律神経を整える作用があります。体を動かしながら呼吸も意識的に行うため、深くしっかりと空気を吸い込んで、体の血流を改善しながら自律神経のバランスを整えられます。
普段ストレスにさらされている方や、緊張で呼吸が浅くなりやすい方は、自律神経のバランスが崩れやすいためピラティスがおすすめです。
ストレス軽減
体をしっかりと動かしている満足感や達成感、血流改善と深い呼吸による全身の循環によって、ストレスの軽減効果も期待できます。
ピラティスは、動作の一つひとつを集中しながら行うので、きれいな姿勢やバランスの形成に役立ちます。美しい姿勢は呼吸機能や体の循環を改善するため、ピラティスを継続することが大切です。
骨盤矯正・腰痛緩和
インナーマッスルを鍛えるピラティスは、スポーツだけで鍛えるのは難しい体の内部の筋肉に働きかけます。体幹と呼ばれるお尻・腰・背中・お腹のインナーマッスルが鍛えられるので、バランスを整えていけば骨盤矯正効果が生まれてきます。
現代人は、長時間同じ姿勢をとりつづけたり姿勢の癖がついたりといったボディバランスの乱れが多くみられます。骨盤まわりは普段から鍛えにくいため、血行不良から代謝が低下しやすい問題もあります。
インナーマッスルも含め、体幹の筋肉を鍛えれば足腰から背中にかけて体を正しく支えられるので、腰痛の予防にもおすすめです。
ダイエット効果
脂肪の燃焼や代謝を改善するダイエットといえば、激しく過酷な運動を想像するかもしれません。しかし、ピラティスでも体のバランスを整えて血行不良や代謝を改善し続ければ、自身の基礎代謝力を活かして痩身効果を得ることができます。
ピラティスは息がきれるような激しい運動ではないため、続けやすいメリットがあります。継続することで体のバランスが少しずつ整っていき、ダイエット効果がアップします。
また、普段の動きや運動では鍛えにくいインナーマッスルを強化できるので、代謝がアップして落ちにくくなり、体の内側の脂肪にも働きかけられます。
関連記事:ピラティスは痩せるって本当?知っておきたいメリットと注意点
女性ホルモン(エストロゲン)減少による不調の改善
更年期は、ホルモンの分泌量が減ることで体にさまざまな変化や不調が出やすくなる時期です。
特に女性はホルモンの一種であるエストロゲンが減少し、体と心のリズムが乱れるおそれがあります。不調を感じるとやる気が低下し運動不足を招くこともあるため、意識的に体を動かしたいところです。
ピラティスは、多少の不調があっても筋肉を鍛えていける運動です。リハビリテーションのエクササイズとして開発されているので、エストロゲンが減って体が重だるいようなときにも、無理なくインナーマッスルを鍛えて代謝を維持できます。
ピラティスにおける正しい呼吸法
ピラティスはヨガと違い、胸式呼吸(きょうしきこきゅう)で行います。鼻から息を吸い込んで口から吐き出す方法で、腹式呼吸のようにお腹を膨らませる必要はありません。
胸式呼吸は鼻から吸って口から出す方法さえ間違えなければ、無理なく続けられる呼吸法です。胸にしっかりと空気を取り込み、口から吐き出すことでストレスを解放しながら動きを続けます。
胸式呼吸では、呼吸法を意識しながら姿勢も正す必要があります。初めての方は、息を吸うときにまず胸に手を当てて胸部が広がる感覚をチェックし、息を吐き出しながら元の位置に戻っていくことを確認してください。
立っていても座っていても、どのようなときにも背筋はまっすぐ伸びた状態にします。猫背や前かがみ、体をひねった状態にならないようにして、胸部が広がりやすいようなポジションをとりましょう。
息を吸い込むときはお腹が膨らまないように注意します。あくまでも肺に空気を取り込むつもりで空気を取り込み、横隔膜と一緒にお腹が膨らんできたときは、意識的に力を入れてお腹だけを引き締めます。口から空気をしっかりと吐き出すときにも、お腹は締まったままを意識してください。
呼吸法は、慣れるまでに時間がかかることがあります。普段、空気を鼻から吸って鼻から出すか、または口から吸って鼻から出している方は、呼吸の癖があるため慣れにくいと感じるかもしれません。
鼻から吸って口から出すことを習慣化できるまでは、お腹の引き締めなどもあわせて意識して行いましょう。呼吸法のトレーニングは繰り返すほど交感神経が活性化されるため、日中の活発な時間帯に行うと良いでしょう。
初心者がピラティスで効果を出すコツ
初心者の方が効果を得るためには、一週間に2,3回ほどのトレーニングが理想的です。
自宅で毎日行う必要はありませんが、姿勢や呼吸法が正しく再現できるように、トレーニングスタジオやジムのピラティスプログラムに通い、基礎をしっかりと覚えていく必要があります。一例として、体幹を強化するポーズ「テーブルトップ(ポジション)」を紹介します。
背筋をまっすぐにして仰向けになり、背中をしっかりとマットにつけます。鼻から息を吸って口から吐きながら、片足ずつ持ち上げて太ももから膝が90度の角度になるように姿勢をつくります。視線は上に向けたままで、上半身は動かないように固定してください。
横から見たときに、太ももから膝が90度の角度になるように両脚を持ち上げ、その状態で10秒キープしたまま胸式呼吸を行います。急いで行う必要はありませんので、呼吸を忘れたり姿勢がずれたりしないように注意しましょう。
ピラティスは激しいトレーニングの必要がない運動で、体を休めながら行うことが大切です。一日10分からでも、姿勢を整えてインナーマッスルを鍛えることを目標にしてみてください。
関連記事:ピラティスのやり方と効果を高めるために押さえておきたいポイント
実績のあるインストラクターのレッスンを受ける
ピラティスのレッスンを初めて受ける場合は、実績のあるインストラクターから指導を受けることをおすすめします。
ピラティスの本場であるアメリカをはじめ、日本国内や世界各地での指導経験があるインストラクターは、正しいポーズや呼吸方法をマスターしているため、初心者にもわかりやすく指導できます。
指導歴や性格的な相性も重要ですが、ピラティス協会などの組織に加入しているかどうか、「マシンピラティス」と「マットピラティス」のどちらが得意なのかもチェックし、インストラクターごとの強みやアピールポイントを押さえておくと良いでしょう。
使用するマシンにはリフォーマーのほかにも、ワンダーチェアやキャディラックなどさまざまな種類があります。スタジオごとに設置されているマシンが異なることも確認しておきましょう。
継続する
ピラティスは、わずかな期間ですぐに効果が出るわけではなく、継続が大切です。週に1回のレッスンなら約3ヶ月で10回程度に到達するので、スタジオでピラティスの指導を受ける場合は、まず10回を目標にしてください。
自宅で行う場合は10分と決めて、基本のポーズから始めます。DVDや動画を見ると難易度の高い動きにチャレンジしたくなりますが、自己流の動作や呼吸にならないように注意し、毎日続けられるプログラムを組むようにしましょう。
スタジオでのトレーニングでは、インストラクターが姿勢の癖や気をつけたいポイントを一人ひとりに指導します。自然にポーズや呼吸ができるようになるまで、一定期間継続することをおすすめします。
【初心者向け】ピラティスの教室の選び方のポイント
ピラティスのレッスンは、通いやすい立地・実績のあるインストラクター・無料体験レッスンが受けられるかを中心に選ぶと良いでしょう。料金やレッスンのスケジュール・開講時間なども確認し、効果を実感できるまで通える場所を探してください。
ここからは、初心者の方がピラティスの教室を選ぶ際に意識したいポイントを紹介します。
ポイント①通いやすい立地を選ぶ
姿勢改善や血行促進は短期間で完成するものではなく、継続が大切です。トレーニングは体質や体調にも合わせて行わなくてはならないため、ピラティスを続ける場合は通いやすい立地にあるスタジオがおすすめです。
通いやすい立地としては、自宅や職場からすぐに通えるかどうかをチェックします。乗り換えや乗り継ぎがあると、交通機関が使えないときや急いでいるときに通いづらさを感じるため、徒歩や自転車で行けるアクセス性の良さを重視しましょう。
ポイント②実績のあるインストラクターが在籍しているか確認する
インストラクターやトレーナーを探すときは、ピラティスに専門的な知識があり正しく指導できるかを確認してください。
初心者の方はピラティスの方法や注意したいポイントなどがわからず、自己流になりやすいものです。実績のあるインストラクターから指導を受ければ、正しい方法で体のバランスを整えられます。
インストラクターの経歴はピラティススタジオのホームページやスタッフごとのSNSなどでチェックできます。ピラティス以外にも得意とする運動やダイエットに関する知識、インストラクターになる前からの経歴なども確認してみてください。
得意としている運動や指導経験はスタッフごとに異なるため、相性の良いインストラクターを探したい場合はプロフィールをチェックしましょう。受けられる指導法やプログラムなどからも、目的やレベルに合うインストラクターを探してみましょう。
ポイント③無料体験レッスンを受ける
「ヨガしか受けたことがなくて不安」「どんなエクササイズなのか知りたい」「マシンピラティスの効果を知りたい」といったときには、ピラティススタジオが提供している無料体験レッスンがおすすめです。
お試し体験ですが、本番のレッスンと同じ要領でメニューをこなしていくので、実際にレッスンを受けているような感覚で体を動かせます。インストラクターの指導技術や相性もチェックできますし、スタジオやレッスンが通いやすいかも実感できます。
ピラティスの体験では、筋膜リリースや筋力トレーニングを組み合わせたり、ボディチェックを行ってからピラティスに入ったりと、多彩なプログラムが提供されています。レッスンの特徴、インストラクターの指導経験や個性、スタジオの立地もあわせてチェックしてみてください。
自分に合うピラティススタジオを探そう
今回は、ピラティスの歴史や特徴、ヨガとの違いとスタジオの選び方について紹介しました。
ピラティスは全身の筋肉のなかでも鍛えるのが難しいインナーマッスルを鍛えられるため、長く続けるほど体のバランスを内側から整えられる方法です。
ストレスリリース効果やホルモンバランスが崩れているときの血行不良改善にも役立つほか、病後の回復や怪我をしてからのリハビリテーションにも活用できます。いくつかのスタジオやインストラクターを検索して、自分に合うプログラムをチェックしてみてはいかがでしょうか。
マシンピラティススタジオ「スターピラティス」では、効果的なボディメイクが可能です。初心者の方でも専門マシンのサポートによって無理なく実践できるので、ぜひご利用ください。
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監修者
山中 隆博
SDフィットネス
パーソナルトレーナー
山中 隆博
SDフィットネス パーソナルトレーナー
<資格>
- 日本ダイエット検定1級
- プロテインマイスター
- フィットネスマネジメント検定2級、1級学科
<略歴>
大学を卒業後、インストラクターとして大手スポーツクラブへ入社し、300名以上のパーソナルトレーニングを経験。その後、専門学校の非常勤講師やキッズミュージカル劇団総監督を経て、当社に入社。現在はSDフィットネスの統括責任者を担当する傍ら、業界セミナー等にも登壇している。