ピラティスとは?押さえておきたいヨガとの違いと期待できる効果
「ピラティスとはどのようなエクササイズなの?」「期待できる効果やヨガとの違いを教えてほしい」などと考えていませんか。詳細がわからず困っている方は多いでしょう。ピラティスは身体動作と呼吸を組み合わせたエクササイズです。ヨガとは、エクササイズの目的や方法などが異なります。ここでは、ピラティスの概要を説明するととともに期待できる効果やヨガとの違いなどを解説しています。ピラティスについて理解を深めたい方は参考にしてください。
目次
ピラティスとは
ピラティスは、次の3つを主な目的とするエクササイズです。
【目的】
- 身体の柔軟性を高める
- 身体を強化する
- 身体のバランスを整える
身体動作とデザインされた呼吸を連動させることで、フィットネスはもちろん、リハビリテーションやアスリートのトレーニングの補助役としても機能することが示されています。
ピラティスを考案したのは、ドイツ生まれのJoseph Hubertus Pilates氏です。彼は、第一次大戦下で敵性外国人として抑留されたときに収容者に対して毎日の運動を指導した経験、戦後に医療従事者から学んだ経験などを通してフィットネスとコンディショニングに関するアイデアを磨きました。
著書「Your Health」と「Return To Life Through Controlology」で、自身の考え「コントロール学(Controlology)」を発表することになります。コントロール学は、多くのダンサーに受け入れられ、彼らの多くはインストラクターとなりその普及に努めました。その後、教育機関、一部の医療機関等からも受け入れられピラティスとして定着しました。
ピラティスの特徴
ピラティスの主な特徴は次の通りです。
特徴①身体の正しい使い方がわかる
ピラティスのベースになっているコントロール学では「身体を思いのまま動かせるようになることで心身を安定させられる」と考えます。また、この状態は人間のあるべき姿とされています。ピラティスでは普段は意識しない筋肉や骨の動きを意識してコントロールすることを学びます。したがって、身体の正しい動かし方を意識しやすくなります。また、身体をイメージ通り動かしやすくなります。
特徴②自律神経を整える
自律神経に働きかける点もピラティスの特徴です。自律神経は名称の通り自律的に働く神経(自分の意思ではコントロールできない)で、活動時に働く交感神経と休息時に働く副交感神経で構成されます。自律神経は背骨の周りを通っているため、背骨が歪んでいたり、背中の筋肉が固まっていたりするとうまく働きません。ピラティスは、身体の柔軟性を高めることや身体のバランスを整えることを主な目的とするエクササイズです。背骨や背中の筋肉に働きかけるエクササイズが少なくありません。したがって、自律神経にアプローチできるエクササイズと考えられています。
特徴③身体を活発にする
ピラティスは、胸式呼吸と身体動作を組み合わせたエクササイズです。胸式呼吸は、肋間筋を使い肋骨を上下させる呼吸法を指します。交感神経に働きかけるため心身が活性化されると考えられています。したがって、ピラティスのエクササイズでは、身体がスッキリすることや前向きな気分で取り組めること、集中力が高まることが多いと考えられています。身体と心を活性化できる点もピラティスの特徴です。
ピラティスの種類
ピラティスは、エクササイズの特徴により以下の3種類にわかれます。それぞれの特徴を解説します。
種類①マシンピラティス
ピラティスのために開発された専用の器具を使って行うエクササイズです。主なメリットは、器具のサポートを受けられるため正しいフォームを身につけやすいことと負荷の調整を行いやすいことです。初心者でも取り組みやすいピラティスの種類といえるでしょう。ただし、専用の器具を必要とするため手軽には行えません。基本的には、ピラティススタジオなどへ通うことになります。大がかりな器具を使用して行うため、この後で説明するマットピラティスよりもレッスン料は高くなる傾向があります。マシンピラティスでは、リフォーマー・キャデラック・チェアなどと呼ばれる器具が用いられています。
種類②マットピラティス
床に敷いたマットの上で行うエクササイズです。ベッドの上で行うリハビリテーションから発展したと考えられています。主なメリットは、誰でも手軽に行えることです。基礎を身につければ、自宅で取り組むこともできます。ただし、自分で身体をコントロールしなければならないうえ負荷の調整が難しいため、初心者にはやや難しいエクササイズといえます。フォームや動作などが誤っていると、期待している効果を得られません。基礎を学んでから取り組みたいエクササイズといえるでしょう。
関連記事:マシンピラティスとマットピラティスそれぞれの特徴と選び方
種類③アレンジピラティス
目的や対象を限定して行うエクササイズです。具体的には、産前産後の体力維持などを目的に妊産婦を対象とするマタニティピラティス、加齢に伴う体力の衰えや姿勢の乱れなどに焦点を当てた中高年を対象とするシニアティラピス、しなやかなボディラインの実現を目指すボディメイクピラティスなどが行われています。特徴は、目的や対象に合わせてプログラムを組むことです。具体的な内容はレッスンにより異なります。
ピラティスによって得られる効果
一般的に、ピラティスには次の効果を期待できると考えられています。
効果①身体を引き締める
ピラティスには身体を引き締める効果を期待できます。エクササイズで、アウターマッスルに加えインナーマッスルも鍛えられるからです。筋肉量が増えると、基礎代謝がアップします。基礎代謝は、何もしていなくても消費する最低限のエネルギーといえるでしょう。したがって基礎代謝がアップすると、痩せやすく太りにくい身体になると考えられます。つまり、身体が引き締まっていくのです。また、インナーマッスルには、内臓を所定の位置におさめる働きもあります。ピラティスでインナーマッスルを強化すると、ポッコリしていたお腹が引っ込む効果も期待できます。
関連記事:ピラティスは痩せるって本当?知っておきたいメリットと注意点
効果②睡眠の質が向上する
過去の研究で、ピラティスにより睡眠の質が向上する可能性も示されています。主な理由といわれているのが、エクササイズで腹横筋・骨盤底筋群ならびに腸を刺激できることです。これにより、メラトニンの原料になるセロトニンの分泌を促せると考えられています。メラトニン(通称、睡眠ホルモン)は概日リズムの調整作用があるホルモンです。
また、ピラティスのエクササイズの中には、筋肉の収縮と弛緩を一定周期で繰り返す運動もあります。このような運動も、継続することでセロトニンの分泌を促すと考えられています。
効果③姿勢や肩こりが改善する
ピラティスには姿勢を改善する効果も期待できます。エクササイズで、姿勢の保持に関わる体幹のインナーマッスルを鍛えられるためです。また、ピラティスのエクササイズでは、身体のバランスにも意識を向けます。背骨や筋肉のバランスの乱れにも働きかけられるため姿勢が整うと考えられているのです。エクササイズで筋肉を鍛えて姿勢を整えると、肩こりも改善する可能性があります。血行を促すとともに、姿勢の乱れを原因とする筋肉への負担を軽減できるためです。ピラティスは、姿勢や肩こりが気になるときに取り組みたいエクササイズといえます。
効果④ストレス解消できる
ピラティスのエクササイズでは筋肉・骨・呼吸に意識を向けます。明日の予定や昨日のトラブルではなく「今この瞬間」に集中するのです。現在、起きている経験に意識を向けて集中することをマインドフルネスといいます。マインドフルネスには、ストレスを軽減したり脳を活性化したりする働きがあります。したがって、ピラティスにはストレスを解消する効果も期待できます。
効果⑤更年期障害の緩和につながる
過去に行われた研究で、更年期障害の症状を緩和できる可能性も示されています。理由のひとつと考えられているのが、エクササイズで自律神経の乱れにアプローチできることです。更年期障害の症状には、自律神経の乱れが関わっています。女性ホルモンの分泌量が急激に減少すると、自律神経をコントロールしている視床下部にも影響が及ぶためです。また、骨盤底筋群をはじめとする体幹のインナーマッスルを鍛えられる点も見逃せません。更年期に気になりがちな尿漏れ・腰痛・ポッコリお腹なども緩和できる可能性があります。閉経前後の女性に適したエクササイズといえるでしょう。
ピラティスとヨガの違い
ピラティスと混同されやすいエクササイズとしてヨガがあげられます。ピラティスはヨガのエッセンスを取り入れていますがヨガではありません。両者の主な違いは次の通りです。
呼吸法の違い
ピラティスは交感神経を刺激する胸式呼吸、ヨガは副交感神経を刺激する腹式呼吸が基本です。胸式呼吸には心身を活動的にする働き、腹式呼吸には心身をリラックスさせる働きがあります。ピラティスとヨガでは、呼吸法が異なります。
エクササイズの違い
ピラティスは、呼吸にあわせて動きを連続させながらインナーマッスルを鍛えたり身体の柔軟性を高めたりします。動きの質を重視する点もポイントです。ヨガは呼吸にあわせてポーズ(静止姿勢)をとって、インナーマッスルを強化したり身体の柔軟性を高めたりします。ピラティスとヨガでは、エクササイズの内容も異なります。
両者の共通点とアプローチ方法の違い
ピラティスとヨガは、身体と精神の調和を大切にしています。ただし、アプローチ方法は異なります。ピラティスは身体面からのアプローチ、ヨガは精神面からのアプローチを重要視しています。また、ヨガの最終的な目的は悟りの体得です。ピラティスは悟りの体得を目的としていません。
ピラティスがおすすめの方
ピラティスはどのような方に向いているのでしょうか。ここからはピラティスが向いている方を紹介します。
身体のラインをきれいにしたい方
ピラティスは、美しいボディラインを手に入れたい方に向いています。体幹のインナーマッスルを重点的に鍛えて、ぼってりとしたお腹周りを引き締められるためです。筋肉量を増やして、痩せやすく太りにくい身体をつくれる点もポイントです。一方で、筋骨隆々の身体を目指している方には向いていません。大きな負荷をかけてアウターマッスルを鍛えるエクササイズは基本的に行わないからです。引き締まった身体、しなやかな身体を目指すエクササイズであることを押さえておきましょう。
身体の歪みを改善したい方
身体の歪みが気になる方にも向いています。身体の状態に意識を向けながら、体幹のインナーマッスルを中心に全身の筋肉を鍛えることで、バランスを整える効果を期待できるためです。例えば、骨盤の歪み、左右の筋肉の差などを整えられる可能性があります。身体の歪みは、何気ない日常生活の積み重ねで発生します。気になる点がある方は、ピラティスのエクササイズで自分の身体に意識を向けてみるとよいでしょう。
運動不足を解消したい方
仕事が忙しい、家事が忙しいなどの理由で、運動不足気味の方にも向いています。エクササイズで運動不足を解消できることはもちろん、運動習慣がない方でも無理なく取り組めるからです。リハビリテーションに取り入れられていることからわかる通り、ピラティスは身体の状態にあわせて始められます。激しい動作は基本的に行いません。運動不足を気にしている方に向いているエクササイズといえるでしょう。
健康的な身体になりたい方
健康的な身体づくりの基本は以下の3点です。
【3つのポイント】
- 適度な運動習慣
- 栄養バランスを考えた食事
- 十分かつ質の高い睡眠
ピラティスは、適度な運動習慣と深い関わりがあります。厚生労働省が発表している「健康づくりのための身体活動基準 2013 (概要)」で、健康な18~64歳未満の方には「3メッツ以上の強度の運動を毎週60分」が勧められています。
出典:厚生労働省が発表している「健康づくりのための身体活動基準 2013 (概要)」
国立健康・栄養研究所が発表している「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」によると、「ピラティス:全般」のメッツは3.0メッツです。[3]したがって、ピラティスは健康的な身体になりたい方にも適していると考えられます。
出典:国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」
ピラティスのレッスン方法
ピラティスのレッスンは、オンラインレッスン・個人レッスン・グループレッスンにわかれます。それぞれの特徴は次の通りです。
方法①オンラインレッスン
インターネットを介して受講するレッスンです。オンラインレッスンは、あらかじめ収録された動画を視聴するタイプとスタジオのレッスンをライブで視聴するタイプにわかれます。また、インストラクターから指導を受けられるもの、受けられないものがあります。オンラインレッスンのメリットは、移動の手間や準備の手間がかかりにくいことです。ただし、インストラクターや受講者とのコミュニケーションはとりにくい傾向があります。
方法②個人レッスン
インストラクターと1対1で行うレッスンです。受講者の目的や身体の状態、体力などにあわせてプログラムを組める点が魅力です。また、細かな点まで目が行き届くことで、身体の動かし方や呼吸の方法などについても指導を受けられるケースが少なくありません。基礎を身につけたい方やレベルアップを目指したい方に向いています。ただし、1対1で行うため、レッスン料はこの後に説明するグループレッスンよりも高くなる傾向があります。
方法③グループレッスン
1人のインストラクターが複数の受講者を指導するレッスンです。割安なレッスン料で受講できる、受講者間のコミュニケーションをとりやすいなどのメリットがあります。一方で、個人レッスンに比べると細かな指導は受けにくくなります。レッスン料を節約したい、仲間から刺激を受けたいなどの希望がある方に向いている方法です。
ピラティスは誰でも始めやすいエクササイズ
この記事では、ピラティスについて解説しました。ピラティスは、身体を強化したり、身体の柔軟性を高めたり、身体のバランスを整えたりするために考案された身体動作と呼吸を組み合わせたエクササイズです。身体を引き締める効果や姿勢を改善する効果を期待できます。激しい運動を必要としないため、体力レベルにあわせて始められる点が魅力です。ボディラインや身体の歪みなどが気になる方は、ピラティスに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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監修者
山中 隆博
SDフィットネス
パーソナルトレーナー
山中 隆博
SDフィットネス パーソナルトレーナー
<資格>
- 日本ダイエット検定1級
- プロテインマイスター
- フィットネスマネジメント検定2級、1級学科
<略歴>
大学を卒業後、インストラクターとして大手スポーツクラブへ入社し、300名以上のパーソナルトレーニングを経験。その後、専門学校の非常勤講師やキッズミュージカル劇団総監督を経て、当社に入社。現在はSDフィットネスの統括責任者を担当する傍ら、業界セミナー等にも登壇している。